12
Caution
稼働中のコードを暗号学的に証明する配備基盤
ブルーオーシャン国内に機密計算基盤を手がける事業者は複数あるが、稼働内容の検証層まで提供する例は見当たらない。
事業概要
- プロダクト
- 利用者はGitリポジトリを接続し、配備対象のソースと設定を登録する。
- 指定したコミットから再現可能なエンクレーブ用イメージを自動で構築する。
- クラウド上に機密計算対応のインスタンスを用意し、成果物を配備する。
- 稼働中のハッシュと構成情報を測定値として取り出し、証明書を発行する。
- 第三者は発行された証明を検証し、審査済みコードとの一致を確認できる。
- 技術アーキテクチャ(推定)
- 顧客のGitリポジトリやコンテナ設定を連携API経由で取得するとみられる。
- 取得したソースを再現可能なビルド手順で処理し、エンクレーブ用イメージを作る。
- クラウド事業者の機密計算APIを呼び出し、測定値を含む証明書を集める。
- ビルド成果物のハッシュと実行時測定値を照合し、来歴を記録すると推定される。
- 検証結果を公開鍵基盤で署名し、外部の監査者が単独で確認できる形で配布する。
- 収益モデル
- 利用企業が配備環境の利用に対して支払う構図とみられる。
- 課金単位と価格は非公開。
- 監査や規制対応の用途では契約単位の提案も想定される。
- 差別化
- ソースから実行環境までの来歴を一貫して記録する点が違いとなる。
- 再現ビルドと証明発行を同じ手順にまとめ、導入時の設計を省ける。
- 創業チームは高リスクシステムのセキュリティ案件で実績を持つ。
- 特定クラウドに依存しない構成を掲げ、乗り換え時も検証を続けられる。
- 日本展開時のリスク
- 機密計算に対応する国内クラウド事業者の対応状況を確認する必要がある。
- 金融や医療では監督指針に沿った説明資料が別途求められる。
- 既存の承認フローや変更管理の慣行と手順の接続が課題になる。
- 証明の検証を顧客や監査法人が受け入れるかが導入の分かれ目になる。
- 為替変動や海外送金を含む契約形態が調達の障壁になり得る。
日本での競合
- 国内のクラウド市場は大手3社と国内事業者が分け合う構造にある。
- 機密計算そのものは大手クラウドが機能として提供している。
- 稼働内容の検証層に特化した国内事業者は見当たらない。
- 国内のセキュリティ事業者は監査や運用支援が中心とみられる。
- 金融や医療の規制対応では国内事業者との協業が参入経路になり得る。
主要プレイヤー
- ラック — セキュリティ監視と診断。
- さくらインターネット — 国内データセンターのクラウド。
- Amazon Web Services — クラウド基盤。国内リージョンで提供。
- Microsoft Azure — クラウド基盤と業務アプリ。
| 比較軸 | Caution | ラック | さくらインターネット | Amazon Web Services | Microsoft Azure |
|---|---|---|---|---|---|
| 主な用途 | 機密計算環境の配備と証明 | セキュリティ | クラウド基盤 | クラウド基盤 | クラウド基盤 |
| 提供範囲 | 配備から検証まで一貫 | 法人 | IaaS | IaaS・PaaS | IaaS・PaaS |
| 課金 | 非公開 | 案件単位 | 従量課金 | 従量課金 | 従量課金 |
| 強み | 来歴を第三者が検証可能 | 監視網 | 国内DC | 国内リージョン | 企業連携 |
出典:Y Combinator / Caution / ラック / さくらインターネット / Amazon Web Services / Microsoft Azure。技術アーキテクチャは公開情報からの推定。