Y Combinator 日本語図鑑

YC採択企業を、事業構造と日本の競合環境で読み解く

112

Zibra Labs

複数クラウドの計算資源を束ねる分散実行基盤

公式サイト
競合あり/空白あり国内にGPUクラウドは複数あるが、複数事業者の資源を横断して束ねる同型は見当たらない。

事業概要

プロダクト
  • 顧客のバックテスト用シミュレーション条件と計算量を受け取る。
  • 複数クラウドのCPU・GPU在庫と単価を照合し、配置先を決める。
  • 並列実行のクラスタを構成し、ジョブを分割して投入する。
  • 実行結果と計算コストを顧客に返す。
  • 強化学習の追加学習やバッチ推論にも同じ手順を適用する。
技術アーキテクチャ(推定)
  • 顧客のジョブ定義とデータはAPI経由で受け取るとみられる。
  • 複数クラウドの在庫・単価・空き状況を各社APIから取得すると推定。
  • 資源の単価と性能を正規化し、配置先を決める調度計算を行うとみられる。
  • ジョブを分割し、各クラウド上に短命のクラスタを構成すると推定。
  • 実行ログと課金情報を集約し、利用者別に保存・提供するとみられる。
収益モデル
  • 量的取引会社が並列シミュレーションの実行時間に対して支払う。
  • 課金単位は計算資源の従量か案件単位とみられるが、価格は非公開。
  • クラウド間の価格差を原資にした仲介型の収益と推定される。
差別化
  • 複数クラウドの単価と空き状況を跨いだ調度ノウハウの蓄積。
  • 金融の並列シミュレーションに特化した実行手順の知見。
  • 調達先を増やすほど原価を下げられる供給網の設計。
日本展開時のリスク
  • 金融機関の計算基盤は与信・監査・説明責任の要件が重い。
  • 顧客データを海外クラウドへ置く際の契約・越境移転の整理が必要。
  • 国内の取引所・証券会社との接続要件や商習慣の確認が要る。
  • 既存のクラウド契約や社内基盤との併用による調達の壁。
  • 小規模チームのため運用体制と障害対応の担保が問われる。

日本での競合

  • 国内のGPUクラウドはさくらインターネットや大手3社が供給する。
  • いずれも自社資源の提供が中心で、他社資源の横断調度は限定的。
  • 量的取引向けの並列シミュレーション特化型は国内で確認できない。
  • 金融向けは監査・データ所在の要件が参入障壁になる。
  • 直接の同型が不在なぶん、実績づくりが先行条件となる。

主要プレイヤー

比較軸Zibra LabsAmazon Web ServicesGoogle CloudMicrosoft Azureさくらインターネット
主な用途並列シミュレーション実行クラウド基盤クラウド基盤クラウド基盤クラウド基盤
提供範囲複数クラウドの横断調度IaaS・PaaSIaaS・PaaSIaaS・PaaSIaaS
課金従量または案件単位従量課金従量課金従量課金従量課金
強み単価比較による低コスト国内リージョンデータ分析企業連携国内DC

出典:Y Combinator / Zibra Labs / Amazon Web Services / Google Cloud / Microsoft Azure / さくらインターネット。技術アーキテクチャは公開情報からの推定。

Y Combinator 日本語図鑑 · No.112 Zibra Labs
出典 Y Combinator。技術アーキテクチャと日本市場の見立ては公開情報からの推定。競合ウォッチ調べ