ログは1年残せば安心、と言われることがあります。しかし監視ツールの初期設定はもっと短く、Visualpingの変更履歴は3か月、UptimeRobotの無料プランも3か月です。
何日分あれば足りるのかは、何のために振り返るかで変わります。ツールの標準、公的な目安、調査の必要範囲の3つを順に見ていきます。

ツールの標準は90日から1年
変更検知ツールの保存期間は、無料プランでは90日が標準です。Visualpingは変更履歴を3か月保存し、Businessプランで1年、5年や7年の長期保存は個別相談としています。
UptimeRobotも無料は3か月で、Soloは12か月、TeamとScaleは24か月です。料金を上げるほど、過去に遡れる期間が延びる設計になっています。
Visualpingは全プランで変更の要約が付き、無料プランでも最短60分間隔で確認できます。保存期間だけでなく、通知される内容もプランによって変わります。
何のために変更履歴を残すのか
履歴の使い道は3つあります。値上げや仕様変更の経緯を確認する、障害や不具合の原因を調べる、取引先との認識のずれを埋める、という用途です。
直近の確認だけなら90日でも足りますが、半年前の料金や条件と比べたい場面では不足します。目的が決まれば、必要な日数はおのずと絞られます。

法律やガイドラインが求める目安
通信サービスの分野では、総務省と個人情報保護委員会が通信履歴の保存について考え方を示しています。誹謗中傷対策として、少なくとも3〜6か月程度の保存が望ましいとされています。
2025年9月には、総務省がSNSや通信サービスを手がける企業に対して、同じ3〜6カ月程度の保存を要請しました。必要がなくなれば早く消すという従来の方針からの転換です。
自社が扱うのが通信履歴でなくても、保存期間を短くしすぎると調査や説明の材料を失う点は同じです。規制のある業種では、社内ルールより長い期間が求められることがあります。
保存期間を延ばす狙いは、被害を受けた人が発信者を特定できる状態を保つことです。履歴が消えていると開示請求そのものが行き詰まり、損害賠償などの手続きに進めなくなります。
保存期間を延ばすと何が変わるか
保存期間を延ばすと、コストと管理の手間が増えます。ログの量は時間に比例して増えるため、保管先の容量と検索の速度に影響します。
一方で、長く残すほどいつ何が変わったかを後から説明しやすくなります。値上げの根拠や障害の再発防止まで考えると、90日では足りない場面があります。
変更履歴は、変更後の状態だけでなく変更前の状態も残せます。前後を比べられる点が、単なるスクリーンショットとの違いです。契約や請求の根拠として使うなら、変更日時と変更内容が一緒に残っている必要があります。
3か月・1年・2年の使い分け
実務では、無料の90日で様子を見て、必要なら有料プランの1年へ上げる段階的な選び方が現実的です。料金ページの変更確認のように四半期ごとの比較なら90日で足ります。
決算や監査、契約更新のサイクルに合わせるなら1年以上が目安です。変更履歴を証跡として使う場合は、社内の保存規程と突き合わせて日数を決めましょう。
たとえば決算が年1回なら、前年同期との比較ができる1年分があると便利です。数年ごとの契約更新がある場合は、更新前の条件が残っているかが判断材料になります。

最後に: 必要な日数は目的で決まる
保存期間に唯一の正解はありません。ツールの標準は90日、公的な目安は3〜6か月、長期保存は1年から2年という順序で、自社の目的に合う日数を選ぶのが現実的です。
競合の変更を追う場合も、値上げの経緯を確認する場合も、後から遡れる記録があるほど判断は楽になります。保存期間は余裕を持って決めておきましょう。
