新サービスの企画書に、見慣れない図が並んでいる。「3C」「SWOT」「5フォース」。名前は聞いたことがあっても、どれをいつ使うのか分からない人は多いのではないでしょうか。
フレームワークは、考える順番を決めてくれる地図のようなものです。この記事では、競合調査でよく使われる5つの型と、目的別の選び方を整理します。

フレームワークは目的で選ぶ
型の数だけを見ると、どれを使えばよいか迷います。選ぶ基準はシンプルで、いま知りたいことが何かに合わせます。調査項目を先に並べてから型を選ぶと、無駄な作業も減ります。
市場全体の構図を知りたいなら3Cです。自社と競合の立ち位置を比べたいならSWOT、業界の儲けやすさを見たいなら5フォースというように、質問と道具を対応させます。
3C分析で市場の構図をつかむ
3C分析は、顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つの視点から現状を整理する手法です。競合だけを見るのではなく、顧客と自社を同時に置くのが特徴です。
この3つを並べると、自社の強みが誰にとっての強みなのかを確かめられます。最初の1枚として使いやすいフレームワークです。
顧客の欄には、誰が何に困っているかを書きます。自社の都合ではなく、顧客から見た言葉で埋めると後の分析が楽になります。
中小企業庁の白書は、差別化や市場環境を意識した経営をしている事業者ほど価格転嫁が進むと分析しています。3Cは、この意識を言葉にするための道具にもなります。
SWOT分析で自社と競合を比べる
SWOT分析は、強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)の4つの箱に情報を分ける手法です。強みと弱みは自社の中、機会と脅威は外の環境を表します。
同じ箱を競合についても作ると、比較がしやすくなります。自社の強みだと思っていた点を競合も持っているなら、それは差別化にはなりません。

5フォースで業界の収益性を見る
5フォース分析は、業界の競争を5つの力でとらえる手法です。ハーバード大学のポーター教授が1979年に発表し、業界の長期的な収益性を左右する力として知られています。
5つの力は、既存競合との競争、新規参入の脅威、代替品の脅威、売り手の交渉力、買い手の交渉力です。力の強さが変わると、競争環境も変わります。
売り手や買い手の交渉力は、価格の決まり方に直接影響します。競合の値動きを読むときにも、この視点が役立ちます。
5つの力は、すべてを毎回測る必要はありません。自社の業界で特に強い力を1つか2つ選び、その変化を追うだけでも十分です。
4PとPESTの使いどころ
4P分析は、商品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、販促(Promotion)の4つで施策を比較する手法です。競合の広告や価格を並べて比べたいときに向いています。
PEST分析は、政治・経済・社会・技術の4つの視点で外部環境の変化を見る手法です。どちらも、3CやSWOTで見つけた論点を掘り下げる場面で使います。
施策を並べた後は、競合より優れている点と劣っている点をそれぞれ1つずつ選びます。全部を真似する必要はありません。

最後に: フレームワークは地図である
どのフレームワークも、答えを出してくれる魔法の道具ではありません。情報を並べる場所を決め、考えの抜けを見つけるための地図です。
地図は古くなります。競合の動きで前提が変わったら、箱の中身も更新しなければなりません。型にとらわれず、変化に合わせて描き直す姿勢が大切です。
最初から完璧な分析を目指す必要はありません。小さく始めて更新を重ねるほうが、結果的に精度が上がります。
