競合の料金ページを開いたら、先週までなかったプランが増えていた。そんな経験はないでしょうか。競合の動きは、気づかないうちに進んでいます。
この記事では、競合調査の進め方を5つのステップに分けて説明します。特別なツールがなくても、公開情報だけで十分に役立つ調査はできます。

競合調査の前にゴールを決める
調査を始める前に、その結果を何の判断に使うのかを決めます。値付けを見直したいのか、新しいサービスの企画に使うのか、営業トークを改善したいのかで、集めるべき情報は変わります。
米国商工会議所の解説では、競合分析はマーケティングの改善や価格設定の確認、顧客との関係づくりに役立つとされています。目的が曖昧なまま情報を集めると、表だけが埋まって結論が出ません。
中小企業庁の白書も、差別化や市場環境を意識した経営が価格転嫁の進み具合に影響すると指摘しています。競合を知ることは、自社の価格を守る土台にもなります。
競合は3社から10社に絞る
競合には、同じ商品やサービスを売る直接競合と、別の方法で同じ悩みを解決する間接競合がいます。まずは幅広く候補を書き出し、その中から詳しく追う相手を選びます。
候補を書き出すときは、自社の顧客が代わりに買いそうな相手を想像します。同じ業種かどうかより、同じ予算を奪い合う相手かどうかで見ると見つけやすくなります。
米国商工会議所は、直接競合の候補を10社以内にすることを勧めています。日本の実務でも、調査対象は3社から10社程度が適切とされています。多すぎると更新が止まり、少なすぎると市場の変化を取りこぼします。
公開情報でわかることは多い
競合の情報は、公開されているものだけでも多く集まります。料金ページ、機能の一覧、採用ページの募集職種、プレスリリース、SNSの投稿。これらをつなぐと、相手がどこに投資しようとしているのかが見えてきます。
朝日新聞社のツギノジダイは、競合分析を8つのステップで整理し、商品やサービスだけでなく広告や売り場も調べることを勧めています。公開情報は一部にすぎないという前提も忘れないようにします。
公開情報を読むときは、いつの情報かを必ず確認します。数年前の資料を最新だと思い込むと、判断を誤ります。

集める情報は、数字で比べられる定量データと、文章で伝える定性データに分けておくと整理しやすくなります。価格や店舗数は定量、口コミの傾向や接客の印象は定性です。
比較表は1枚のシートにまとめる
集めた情報は、競合を列、調査項目を行にした表1枚にまとめます。表が分かれていると更新のたびに探し回ることになるため、まずは1枚に押し込みます。
各セルには、情報の出典と確認した日付を小さく残します。後から数字の根拠を聞かれたときに、出典がなければ表全体の信頼が落ちてしまいます。
表の項目は、最初から完璧を目指さなくてかまいません。使いながら足りない列に気づいたときに足していけば、調査は続きます。
調査の頻度を決めて無理なく続ける
競合調査は、一度きりのイベントではありません。重要度の高い競合は週1回、その他は月1回など、相手ごとに頻度を決めておきます。
調査の結果は、定期的に更新してこそ役に立ちます。表を作って終わりにせず、次の確認日を予定に入れておくことが継続のコツです。
毎回すべての項目を見直す必要はありません。料金、採用、プレスリリースなど、変化が起きやすい項目に印を付けておき、そこを重点的に確認します。

最後に: 競合は毎日少しずつ変わる
競合の変化は、発表されてから気づくことが多いものです。しかし料金の一文、募集職種の追加、キャンペーンの開始は、発表より前にページへ現れます。
大事なのは、調査を大がかりな作業にしないことです。対象を絞り、記録を残し、確認する日を決める。この3つを回すだけで、競合の変化に気づくのが早くなります。
