2026年7月8日、帝国データバンクと東京商工リサーチが2026年上半期の倒産集計を公表した。帝国データバンクは5335件、東京商工リサーチは5346件で、どちらも前年を上回る高い水準だった。
倒産は経営者の失敗によるものと思われがちだが、いま増えているのは需要そのものが縮むことによる倒産だ。この記事では、上半期の数字を物価高と不況型という2つの切り口から整理する。

2026年上半期の倒産は5335件
帝国データバンクによると、上半期の倒産件数は5335件で前年同期比6.6%増だった。上半期として4年連続の増加で、2年連続で5000件を超えている。負債総額も7247億3600万円に達し、前年同期から6.9%増えた。
月別に見ると、前年を下回ったのは5月だけだった。6月は1028件となり、2024年5月以来およそ2年ぶりに月1000件を超えている。
負債額で見ると、5000万円未満の倒産が3320件で全体の62.2%を占めた。件数の多さは、小規模な企業の退出が続いていることを示している。
不況型倒産4350件が示すもの
不況型倒産とは、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振の5つを主因とする倒産をまとめた呼び方だ。上半期は4350件となり、前年同期の4163件から4.5%増えた。上半期としては5年連続の増加である。
なかでも販売不振は4278件で、全体の80.2%を占めた。3年連続で8割を超えており、倒産の大半が売れないことから起きている。売掛金回収難は32件で、前年から128.6%増えた。
物価高倒産556件は過去最多

物価高を原因とする物価高倒産は556件で、過去最多を大幅に更新した。6月だけで113件発生し、単月でも最多となっている。業種別では建設業が151件で最も多く、小売業118件、製造業103件と続いた。
東京商工リサーチの集計でも、物価高倒産は439件だった。同社は円安による物価高が経営の足かせになっていると分析している。
調査機関によって数字が違う理由
同じ上半期の倒産でも、帝国データバンクは5335件、東京商工リサーチは5346件と11件の違いがある。両社はそれぞれ独自に企業を調査して集計しており、対象範囲や集計の時点は完全には一致しない。
一方だけを見て倒産は何件だったと断定するより、両社の数字を並べて傾向をつかむほうが安全だ。どちらも前年を上回っており、増加傾向という結論は変わらない。上半期に5000件を超えたのは、東京商工リサーチによると2014年以来12年ぶりである。
業種別ではサービス業が最多
業種別に見ると、サービス業が1418件で2000年以降の最多を更新した。次いで小売業が1108件、建設業が1043件と続く。建設業が上半期に1000件を超えたのは13年ぶりである。
小売業の内訳では飲食店が473件と、これも2000年以降で最多になった。人件費や食材費の上昇を価格に転嫁しきれない企業が、厳しい状況に置かれている。
建設業を細かく見ると、職別工事が522件で上半期として14年ぶりに500件を超えた。サービス業では広告・調査・情報サービスが489件で最も多かった。
倒産の手前にある変化を見る

倒産はある日突然起きるように見えて、その前には取引条件の変更や支払いの遅れといった変化がある。決算が四半期ごとにしか出ないのに対し、こうした変化は日々更新される。
販売不振が倒産の8割を占めるということは、顧客の動きや価格の変化を早くつかむことが防御につながるということでもある。取引先や競合の料金ページ、採用情報を定点で見る習慣が役に立つ。
最後に: 数字の裏にある変化
上半期の倒産は、物価高という外部要因と、売れないという需要の変化が重なって増えている。数字そのものより、その裏で起きている取引や価格の変化に目を向けたい。
自社の顧客や競合がどう動いているかを定期的に見る。小さな変化の積み重ねを追うことが、不況型倒産に巻き込まれないための備えになる。
